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ギフトとは
「優しい気持ちを相手に向けること」
ミナ ペルホネン皆川明さんインタビュー

2021年3月24日から3月29日の期間、伊勢丹新宿店本館6階=催物場で、ミナ ペルホネン『Dear Friend, Department ー minä perhonen in ISETAN SHINJUKU ー』が開催されます。それに合わせて、ムードマークでも<ミナ ペルホネン>のアイテムの取り扱いがスタート。

そこで<ミナ ペルホネン>の皆川明さんに「皆川さんにとって、ギフトとは…」をテーマにお話を伺ってきました。

※ミナ ペルホネンの商品は、2021年3月19日(金)午前10時から販売開始予定です。

ギフトとは「優しい気持ちを相手に向けること」ミナ ペルホネン皆川明さんインタビュー

INDEX

INTERVIEWミナ ペルホネン 皆川明さん「ギフトとは…」

ギフトとは「優しい気持ちを相手に向けること」

まだ寒さが残る冬の朝。白金台にあるミナ ペルホネンで、皆川明さんにお話を伺いました。ミナ ペルホネンのカップからは、紅茶のあたたかな湯気が上ります。皆川さんにとって「ギフト」とは、どんな存在なのでしょうか。

――皆川さんご自身は、ギフトを贈るのは得意なタイプなのでしょうか?

特別な記念日に贈るギフトは、少し考えすぎてしまうきらいがあるのですが、旅先で出合ったモノからパッと思い浮かんだ人に、ギフトとして贈ろうと思うのは好きな時間の一つですね。特別な日ではなくても、誰かに会った時に何かギフトを渡すのは好きですね。

日常的に贈るギフトでは、自分が使って嬉しいものを贈ります。インテリアや食器に関しては、贈る相手の方の暮らしをよく知らないと難しいので、食べられるものや、日用品など、暮らしの中で使えるアイテムを選ぶことが多いですね。

皆川さん 手元

――今回、ムードマークでも展開する『Dear Friend, Department ー minä perhonen in ISETAN SHINJUKU ー』のアイテムの中では、どんなものを誰に贈ってみたいと思われますか。

ストウブとミナ ペルホネンのコラボレーションで作った鍋は、料理家の友人などにプレゼントしたいですね。今から「ストウブとコラボの鍋が出来上がったら使ってね」と話しています(笑)

――皆川さんがミナ ペルホネンでの仕事についてお話されている中で『どうやって喜びをつくるのか』という言葉が印象的でした。ギフトとは、相手の喜びを願って贈るものだと思いますが、皆川さんにとって「ギフトを贈る」とはどんなことなのでしょうか。

クリスマスに届いたパリの友人からの贈り物を思い出しました。パリに住む20年来の友人が、毎年クリスマス時期にシュトーレンを作って送ってくれるのですが、今年(2020年)のクリスマスにもいつもと同じように彼女からシュトーレンが届いたのです。

パリに住む彼女のお店もロックダウン中で、仕事も思うようにできていない状況にもかかわらず、例年と同じようにシュトーレンを贈ってくれたのです。Instagramには「優しさの芯がある人」と綴ったのですが、こんな状況の中でも「優しい気持ちを自分に向けてくれた」ということが本当に嬉しかったです。

▲皆川さんのInstagram(@akira_minagawa725)より

▲皆川さんのInstagram(@akira_minagawa725)より

「便利だから」「美味しいから」というだけでなく、そういった「優しい気持ち」を自分に向けてくれることが、何よりありがたかったですね。

ギフトとは、モノを通じてその人が自分に向けてくれた気持ちが伝わること。そして、ギフトとは、人から「与えられるもの」だからこそ、そこに温かさがあり、自分でモノを買うのとは違う「大きな喜びに繋がる」のだなと思います。


オンラインでのコミュニケーションを模索したことで生まれた「Letter」

――ミナ ペルホネンの公式サイトで商品を購入すると、配送時に「Letter」という皆川さんの書かれた詩が一緒に届きます。この「Letter」をはじめられた経緯を教えてください。

「Letter」は今から約10年前に、オンラインでミナ ペルホネンの商品の販売をはじめる時にスタートしました。オンラインでは、会話を通じた接客ができないので、オンラインでどやってお客さまに気持ちを伝えるか?と考えた結果生まれたのが「Letter」です。

2011年から、毎週1編ずつ「Letter」を書き続けて、500編になりました。「Letter」をまとめた書籍も2冊目が昨年の秋に出版されました。

「Letter」

毎週書き続けている「Letter」は、自分にとってもすごく大切なことなんです。「Letter」には、心地のいい言葉だけではなくで、自分が落ち込んでいたり、悩んでいたり、その時の空気そのままに書くようにしています。熟考したり、練り直したりはしないことで、生の声で話しかけているよう雰囲気に近づけるのではないかと思っています。

もしネガティブな空気を孕んだ「Letter」があったとしても、読んだ人が「ああ、私もそういう時があったな」と思ってくれるようにと、「Letter」では自分が考えていることを感じたままに伝えていけたらと思って続けています。


「日常」とは言えない暮らしの中で学ぶこと

――皆川さんのお話の中に「日常の中からデザインが生まれる」という言葉もありました。
この一年、世界中の人にとって「日常」とは言えない暮らしが続いています。そういった暮らしの中で迫られた「人との距離感」や「自分との向き合い方」に変化はあったのでしょうか。

今回で言えばウイルスのような目に見えないものから制約が生まれているのは事実ですし、特殊な状況なのだと捉えています。

でも、このような状況の中で「どのくらい自分を平静に保つか」というのが大切なのではないかとも思っています。

自分たちがどんな状況でも、その中で喜びを見つけ、平穏を見つけられるようにする。そういう意味では、学びの多い貴重な機会だなと考えています。

皆川さん

「ギフト」とは、ギフトを通じて「その人を想うことができるもの」

――最後に、あらためて「ギフト」とは、皆川さんにとってどんな存在なのでしょうか。

ギフトとは、そのギフトを贈ってくださった方の分身のような存在でもありますよね。贈ってもらったギフトをみると、その方を思い出したり。モノの機能ということ以上に「その人を想うことができる」そんな存在だなと感じています。

ミナ ペルホネンの商品をギフトとして贈っていただけるのは、とても喜ばしいことですし、ギフトに選んでくださった方の思いに恥じないモノづくりをしたいと、いつも思っています。


INTERVIEWミナ ペルホネン 皆川明さん「ギフトとは…」

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