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和歌山県|アイデアと伝統の技術から誕生!
乾杯が似合う、世界遺産ヒノキで作るビアジョッキ

和歌山県|アイデアと伝統の技術から誕生!乾杯が似合う、世界遺産ヒノキで作るビアジョッキ

漫画の世界に出てくるような木製の大きなビアジョッキ。手掛けるのは、和歌山県海南市の漆器専門店<島安汎工芸製作所>の5代目として、商品開発・製作に携わる島 圭佑さん。大正時代から続く家業である紀州漆器の伝統技と、自ら石川県で学んだ「木工ろくろ」の技術を活かした作品を通じ、新たな漆器の楽しみ方を提案しています。

INDEX

漫画に登場するようなジョッキを作りたい!木工ろくろを学びに石川県へ

漫画に登場するようなジョッキを作りたい!木工ろくろを学びに石川県へサブビジュアル1


「あの漫画に登場するような木のビアジョッキが作れたら…」そんな好奇心を行動に移し、石川県へ5年間の修行に出たという島 圭佑さん。和歌山では学ぶことが出来なかった木工ろくろの技術を習得し、その後<島安汎工芸製作所>でジョッキの製作を開始します。

木工ろくろを取り入れた作品製作は多岐に渡り、「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT」の2018年和歌山県代表にも選出されています。代々受け継いできた技術と木工ろくろを組み合わせた作品の数々は、使う人に喜んでもらいたいという思いを感じるものばかり。

アイコニックなアイテムであるビアジョッキは、子どもの頃から慣れ親しんできた漫画やゲームの世界感に触れるようなわくわく感を、ファッション感覚で楽しめるのが魅力。島さんがかけていたお手製の木のメガネフレームにも、日常を楽しむ創意工夫に溢れる島さんの人柄が感じられます。

漫画に登場するようなジョッキを作りたい!木工ろくろを学びに石川県へサブビジュアル2



ピンチをチャンスに!世界遺産熊野古道の檜を使ってビアジョッキに

ビアジョッキが完成するまでには、様々な苦労があったそう。地元である和歌山の木材を使いたいと考えていた島さんは、石川県から帰郷後、和歌山県内で木材の調達を開始。そこで初めて、和歌山県には木工ろくろに適した「広葉樹」の木材がないことを知ります。

ピンチをチャンスに!世界遺産熊野古道の檜を使ってビアジョッキにサブビジュアル1


森林資源が豊富な和歌山ですが、建材等に使われる「檜」や「杉」などの「針葉樹」がほとんど。木工ろくろで作るビアジョッキには、ある程度大きな丸太が必要となる為、使用することが出来ません。

そこで目をつけたのが、熊野古道から出る檜の間伐材。世界遺産の熊野古道では、良木を残すために間引いた周辺の木は廃棄されてしまいます。この木材がビアジョッキに使用できるのでは?と島さんは考えたそう。漆塗りの塗装に加えて、木材加工も行う<島安汎工芸製作所>では、木材を組んで加工することも得意としています。薄い間伐材の檜を重ねて接着することで、ビアジョッキ用の材料となる修正材を自社の技術で作りあげました。

ピンチをチャンスに!世界遺産熊野古道の檜を使ってビアジョッキにサブビジュアル2


こうして出来た修正材は、木材をつなぎ合わせたことで変形しにくいため強度が強いことにも作業の中で気づいたのだとか。檜の間伐材を使用したことで、他にはないような木目の風合いも個性の1つに。檜の香りはアロマなどに使用されることも多く、ほのかに感じる良い香りも魅力です。島さんいわく「プロの木工職人は絶対にやらないと思います。」という位、他にはないユニークな手法なのだそう。

ピンチをチャンスに!世界遺産熊野古道の檜を使ってビアジョッキにサブビジュアル3



島安汎工芸製作所だからこそ出来る「漆塗り」と「木工」の技術を活かして

島安汎工芸製作所だからこそ出来る「漆塗り」と「木工」の技術を活かしてサブビジュアル1


大正5年(1916年)の創業から、紀州の伝統工芸品である漆器を製造してきた<島安汎工芸製作所>。先代である3代目が、市役所から出てくる黒塗りの車を見て「あの塗装方法を、漆塗りに活かせないか?」と思い、吹き付け塗装の手法を海南地区でいち早く取り入れました。

吹き付け塗装を取り入れたことで塗装作業が効率化。元来塗装の工程は分業制で、下地・中塗り・上塗りそれぞれに特化した職人が存在していたそうです。吹き付け塗装が実装されたことで、仕事を失くす職人達も。しかし、塗装作業の効率化によって生まれた時間を使い、自らの工房で塗装の前の工程である木地作りもスタートします。木工と漆塗りの両方の作業を行う工房は少なく<島安汎工芸製作所>の強みに。

島安汎工芸製作所だからこそ出来る「漆塗り」と「木工」の技術を活かしてサブビジュアル2


木地作りから仕上げまで、漆器づくりの全ての工程を行うスタイルこそが、フレキシブルな商品開発に繋がっています。漆独特の奥深さを感じながらも、スタイリッシュに取り入れやすい商品の数々は、漆器を楽しむきっかけにもなるはず。こうした背景が、ビアジョッキの開発から完成までを支えているのです。


乾杯のシーンを想像しながら贈りたい、島 圭佑さんが想うジョッキの魅力

島さんの作るビアジョッキは、見た目のインパクトはもちろん、乾杯の風景が想像できるような「楽しい場面を提供するギフト」に。使うシーンを想像しながらものづくりをしているという島さんの思いが、手に取った方にも伝わるような一品として完成しました。

乾杯のシーンを想像しながら贈りたい、島 圭佑さんが想うジョッキの魅力 サブビジュアル


「実は僕はあんまりお酒は飲めないんです。」と、島さん。ジョッキに入れる中身は何でも良くて、ジョッキ自体が相手の日常をちょっと楽しくしてくれる、そして手に取った人が自由に楽しめるのもこのジョッキの魅力です。

最近、弟さんの勧めもありアウトドアを楽しんでいると言う島さん。キャンプにジョッキを持っていったところ、弟さんの友人から「これキャンプにめっちゃいいじゃないですか!」と言われたのだとか。作っている時はアウトドアで使うシーンは想定していなかったそうですが、自然の風景と木の素材感がマッチしていて、強度もあるので屋外にも◎。新たな楽しみ方を発見することが出来たそうです。

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遊び心とインパクトのある木製のビアジョッキは、楽しい乾杯のひとときをイメージしながら贈りたい一品。独自の加工法で作り上げる檜の木材は、一つひとつ異なる木の風合いを楽しむことが出来るのも魅力の一つです。お酒が好きな方や、アウトドアが好きな方へのギフトにはもちろん、漫画やゲームの話題で一緒に盛り上がったあの人への贈り物にも。

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