和歌山|紀州生まれのスパイス・ハーブの新たな魅力に出合う!
世界が認める「かんじゃ山椒園」のティーセットがムードマークに登場
紀州有田川の自然豊かな山間地にある「かんじゃ山椒園」。ここで栽培された山椒は、大粒の実から漂う豊かな風味が魅力。世界のトップシェフやショコラティエからも愛されています。またスパイスやハーブも栽培するかんじゃ山椒園ではオリジナルのブレンドティーも人気。そこで今回ムードマークでは、かんじゃ山椒園で収穫された葉山椒や赤紫蘇などを使用したティーセットを展開します。それぞれのフレーバーの魅力や、この地ならではのスパイス・ハーブとの深い関係まで、かんじゃ山椒園の永岡冬樹さんにお話を伺いました。
世界で大注目の和のスパイス「山椒」
柑橘系のフルーティーな香りと痺れる辛さが魅力の山椒。さらに普通の山椒より実が大きく香りが強いぶどう山椒は、世界のトップシェフやショコラティエの間で評判となり、今や入手困難なスパイスとなっています。かんじゃ山椒園で栽培しているぶどう山椒も、国内外の一流レストランで使用されています。
<長閑な里山にあるかんじゃ山椒園と併設されたカフェ>
その人気について永岡さんは、「日本の山椒は色も綺麗で香りも立ちます。乾燥した状態のスパイスとしての使用はもちろん、フレッシュな状態ならサラダにもおすすめです。様々な国の料理との相性が期待できます」と教えてくださいました。
また「山椒は柑橘系のスパイスなので、海外だとレモンやシトラスのような感覚でスイーツに取り入れらることも多いです」と、山椒の可能性はかなり幅広いようです。
古くから和歌山県に自生する山椒の魅力がショコラティエやシェフに見いだされ、この紀州有田川の山間地から世界へと広まっていきました。
紀州有田川の歴史あるスパイス・ハーブ
<山椒の木には棘があり、高さは1~3m程。実だけでなく、小さな葉っぱも香り豊か>
平安時代の書物にも登場する「紀州山椒」。傾斜のある山間地は水掃けが良く、また寒暖差があることから山椒の栽培に適した土地です。「昔からこの辺りはどこの家にも山椒がありました」と永岡さん。古くから人々の暮らしと共にある紀州有田川の山椒ですが、実は一度その価値が暴落した過去がありました。
「15年程前ですが…『体に良いものだから』と山椒を作りすぎてしまい、売り切れなかったものはどうにもならず焼却していたんです」
そんな状況を何とかしたいと考えていた永岡さんが、改めて収穫したての山椒を料理に使ってみたところ、フレッシュな香りにとても驚いたそう。それまので山椒は加工といっても乾燥させただけものが主として流通していましたが、「このフレッシュなままの状態で提供出来たらもっと山椒の需要が高まるのではないか」と、乾燥の工程を工夫したり、現在のようにジャムや佃煮などの加工に挑戦したそうです。
さらには「古くから和歌山の山間部に自生していた赤紫蘇や柚子や肉桂などのスパイスやハーブを栽培することで、山椒と合わせて安定した地域の生業となることを目指した」という永岡さん。古くから身近にあった産物がこうして世界から求められている今、「生業」の言葉がとてもしっくりきます。
お茶に込めた思い
かんじゃ山椒園では、併設するカフェでスパイス・ハーブを使用したオリジナルの料理やお茶を楽しむことが出来ます。週末には県外から足を運ぶ方も珍しくないほどの人気です。このカフェで提供しているお茶にも、山椒の加工で培った技術が込められていると言います。
「香りはとてもデリケートなので、収穫後すぐに乾燥させて密閉、低温で保存しています。ただ乾燥させるだけではなく、きちんと管理して品質のいい状態を提供することでおいしいと喜んでもらえることが、ベストの状態で山椒を提供する過程でわかりました。」
「品質の良さが一番伝わるのがお茶だと思い、山椒などのスパイスやハーブをブレンドした茶葉の加工を始めました。時間はかかるかもしれませんが、このお茶を通して少しでもかんじゃ山椒園の山椒やスパイス・ハーブの品質の良さが伝わってくれると嬉しいです」と話す永岡さんの、お茶に込めた思いと自信に溢れた表情が印象的でした。
<山椒ジャムがトッピングされたチーズケーキは人気メニュー。のどかな山椒園の光景を眺めながら味わうことができる>
ムードマークにティーセットが登場!
そんなこだわりに溢れたかんじゃ山椒園のティーギフトがムードマークに登場!かんじゃ山椒園のある和歌山の山間地域で栽培された4種の素材を中国茶とブレンドしました。茶葉をテトラバッグに詰める際は、手作業で丁寧に仕上げています。どんな食事にも合う味わいで、香りを楽しめるようストレートで飲むのが永岡さんのおすすめです。
【赤紫蘇】
普通の赤紫蘇よりも香りが強い紀州赤紫蘇を使用。冷やすと味が良く出て、余韻が残ります。
【葉山椒】
烏龍茶の香ばしさと山椒の香りが華やかに香ります。美しいみどり色のお茶です。
【柚子】
ほのかに甘い香り。柚子皮のほろ苦さと爽やかな柑橘の風味が感じられます。
【葉肉桂(シナモンリーフ)】
ホットでもアイスにしても◎ チャイのシナモンのようにふんわりしたやさしい香りです。
山椒に続くもの
その豊かな香りに魅了されたショコラティエやシェフたちにより、まさに世界に羽ばたいたぶどう山椒。近頃フレンチでも使用されるという花山椒は、春だけに楽しめる風情ある素材です。赤紫蘇や柚子や肉桂なども、この山椒に続いてほしいと永岡さんは言います。
「最初は薬用としてこの地に入ってきたスパイスやハーブですが、食文化の発達によりもっと新しい食べ方や使い方になり、世界に広がっていけばいいなと思います。それが延いてはその地域の人の生業に繋がっていければ嬉しいです。」
世界に愛されているぶどう山椒をはじめ、和のスパイス・ハーブはこれからも紀州有田川の人々の暮らしに寄り添います。