日本一の生産量を誇る和歌山県の有田みかん
最大82種類の柑橘の食べくらべが楽しめる「みかんマニア」
400年以上の歴史があり、日本一の温州みかんの生産量を誇る和歌山県の『有田みかん』。 今回は、そんなみかんの宝庫である有田地方で、地元の農家さんのサポートをしながら有田みかんの魅力を伝える取組みを行っているFarmer’s Manager代表の吉田亮さんと、こだわりを持って美味しいみかんを届けるみっちゃん農園の小澤光範さんにお話を伺いました。
最大82種類の蜜柑が食べ比べできる「みかんマニア」
今回ご紹介するのは、吉田さんが手がける、美味しいみかんを生産している複数の農家さんから集めた柑橘の食べくらべを楽しむことができる「みかんマニア」。
「みかんマニア」の特徴は、最大82種類の中からセレクトされた、様々な柑橘が楽しめること。
お届け時期によって内容は変わりますが、みかんはもちろん、八朔、檸檬、清見オレンジ、甘夏など個性豊かな旬の柑橘が15~25個詰め合わせになっています。まだ出会ったことのない柑橘との出会いや新しい発見がきっとあるはず。
「みかんマニア」のパッケージに込められた思い
82種類の柑橘の食べくらべができる「みかんマニア」の魅力は、パッケージにもあります。
和歌山県には、地元出身である紀伊国屋文左衛門が、紀州から江戸まで蜜柑を運んで大金持ちになったという逸話が。これをきっかけに、江戸の人々にみかんが身近な存在となったことでこたつでみかんを食べるといった日本独特の風習ができ、その際に有田みかんが全国的に有名になりました。
「もう一度その時のように有田が活気づいてほしい」というゲン担ぎの意味を込めて、吉田さん自身が考案したパッケージデザインは、トラディショナルでありながらも新鮮でスタイリッシュ。
紀伊国屋文左衛門が儲けた小判を投げている浮世絵があったので、小判の代わりにみかんを投げている絵にしたとか。
また、ポストカードは、有田に行ってみようと思ってもらうために、江戸時代に和歌山県の様々な名所が描かれた『紀伊国名所図会』の中で、有田地方にフォーカスした絵を選んでデザイン。
熊野古道、峠の茶屋など12種類。毎月違うポストカードを入れています。
「みかんマニア」のはじまり
長年勤めていた会社を辞めて、地元和歌山県有田地方に戻り、有田の活性化に取り組む吉田さん。
なるべく農薬や肥料に頼らずに、手間暇かけてこだわりを持って生産を行っている農家さんや、そこを目指して頑張っている若手の農家さん、年齢に関わらずに有田地方を活気づけたいと思っている農家さんをサポートする取り組みを行っています。
吉田さんの実家もみかん農家でした。
しかし、和歌山のみかん農家全体の課題として、良いものを作っているにも関わらず安価で買い取られてしまうことがあり、後継者や新規就農者がいなくなり、悪循環になっていることを課題に感じたそうです。
また、ある時何気なく友人に真っ赤な「小原紅早生(おばらべにわせ)」を入れたみかんの詰合せを送ったところ、友人からは予想外の驚きと喜びの声があがったそうです。
その際に「地元では普段気にしていないけれど、知らない方からすると大きな驚きや喜びがあるのかもしれない」と思ったのだとか。
そこで、そんな農家さんを救いたい!有田みかんの価値を高め、幸せに繋がるお手伝いがしたい!との想いで地元に戻り、起業しました。
この出来事をきっかけに、最大82種類の柑橘の食べくらべができる“みかんマニア”が誕生したのです。
そして昨年、“みかんマニア”の定期便をマクアケで販売スタート。瞬く間に広がり、多くのお客様にご購入いただけたそうです。
“みかんマニア”の他にも、傷がついていても食べるとおいしい蜜柑は、皮を剥いてきれいに処理をして冷凍みかんシロップ漬けにしてドリンクポーションなどにしています。
農家さんの言い値で購入し、加工もこの場で行っているそうです。
みなさん、“有田剥き”をご存知ですか?
取材を通す中で話題に上がったのが“有田剥き”。
有田剥きは、昔から有田地方で通じるみかんの剥き方のことです。
簡単で早く剥くことができ、手を汚さずに食べることができるので、ムードマークのスタッフも驚きと感動でした。
①まずは、みかんの果頂部から皮ごとみかんを半分に割ります
②さらに半分にします
③ 同じ要領で4等分にします
ぜひ皆さんもやってみてください:D
みかんの価値を高め、有田の未来を守っていくために
そして、吉田さんに今度の取り組みについて尋ねてみました。
「先ほどもお伝えしたように、傷のないみかんはみかんマニア、傷がある蜜柑みかんは冷凍みかんやドライみかんなど、といった善循環の仕組みを作ります。
さらに、約100種類近くみかんがあるので、定期便だけでなく、82種類のドライみかんや冷凍みかんなど、みかんの新たな可能性を追求していきたい。」と吉田さん。
海外にも販路を拡大していきたいと考えているそうです。
二人三脚で取り組む農家さんの一つ「みかんのみっちゃん農園」の魅力
そして、吉田さんが一緒に取り組みを行っている、みかんのみっちゃん農園の小澤さんのもとを訪れ、実際に畑にも同行させて頂きました。
<畑に向かう車中からの一枚>
<この日は少し曇り空。山々に囲まれ緑あふれる街を眺めながら小澤さんにお話を伺いました。>
みかんは、気温が高い日があると木の上で腐っていることもあるそう。
みかんにとって一番良くない気候は、気温が高く、風が強く、そして温かい雨が降ること。11月上旬は、例年より比較的暖かい日が続いたことがあり、みかんにとっては良くなかったのだといいます。温かい雨は、果皮が柔らかくなってしまうことがあり悪影響を及ぼしてしまうのだとか。
また、みかんは、常緑果樹なので一年中葉が落ちない。来年に実る枝や再来年に実る枝と決め、選定して栽培を行っています。
収穫も収穫の仕方が重要。採り方一つひとつ、実が来年にどうなるのかを考えながら収穫します。このように、有田の産地は作り方にこだわりを持っている農家さんが多いのだそうです。
<実際にみかんを頂きました。甘くて濃い!甘さと酸味のバランスが絶妙。>
そこで、そんなこだわりを持って美味しいみかんを作り続けているみかんのみっちゃん農園の小澤さんに、みかんを作る上でのこだわりや大切にしていることを尋ねてみました。
小澤さん:味は育て方で変わりますが、作る人の思いが味に出てきます。手を加えれば加えるほどその分みかんは答えてくれます。今年の作業が、再来年の結果に繋がり、5年、10年と先を見据えた生産ストーリーがあってはじめて、今日皆さんが食べているみかんがあります。
吉田さん:本当に、適地適作ですよね。言い方は悪くなってしまいますが、素人でもある程度美味しいみかんができてしまう。でも、そこからは思いの部分。思いがあるからこそ、他の人よりもどれだけ畑に足を運び、回数を重ねて面倒をみるかで変わります。
小澤さん:9割5分くらいは、自然の力。台風が来れば木が倒れ、大雨が降れば水っぽくなります。そんな中、天気予報や気象状況を予測しながら作業する。
木の生育の状態を見て、タイミングをみながら肥料をやる。そのちょっとした匙加減が、人の思いや考えの部分になる。その微力の部分を頑張っていきたいと思っています。食べてくれる方の笑顔や幸せ、そしてそれが感謝や未来などに繋がっていく。縁をつないでいくのです。
自然の力が偉大ではあるけれど、そんな中で行う小さなことがとても大事なのだと教えて頂きました。
<雨あがり。雨水滴るみかん。>
ぜひ、ご家族やご親戚、ご友人など大切な方へのギフトに和歌山県有田地方のこだわり詰まった美味しいみかんを贈ってみてください:D
左:みかんのみっちゃん農園 小澤光範さん 右: Farmer’s Manager代表 吉田亮さん