特定のオフィスは持たず、モバイルツールを駆使しながら、自転車に乗って縦横無尽に都市を駆け抜ける、アクティブなノマドスタイル。オンタイムのビジネススタイルを基軸としつつも、機能的な素材・ディテールを採用することで、軽快かつ動きやすく仕上げたセミドレススタイルをご紹介します。
<ナリフリ>ストライプジャケット
<ナリフリ>ストライプスラックス
<ナリフリ>パーカ
<ナリフリ>シャツ
<ブリューワー>ネクタイ
<スピングルムーヴ>プレーントゥ シューズ
<ジョマリオ>靴下
自転車 ※参考商品

<ナリフリ>メッセンジャーバッグ
<マスターピース>リュック


ナリフリ代表・デザイナー 小林一将氏 インタビュー
ナリフリは2007年に市村と2人で設立しました。キャリアのスタートがニューヨークだったせいか日本語にこだわりがあり、「なりふり構わず」から名前を取ったのですが、服装を意味するナリでファッションを、態度を意味するフリで自転車に乗るスタイルを表現しています。名前も変わっていますし、自転車のための服という存在も変わっているから、否が応にも覚えて貰えるだろうな、と。
以前からブランドを始めたいと考えていましたが、ファッションだけをメインに据えるのは厳しいとも思っていました。毎シーズンごとにテーマに変えてブランドを展開していくことに先行きが見えず、40歳になった時に続けている姿も見えなかったんです。ですから、何かファッションを表現するための理由付けが欲しくて。そんなときに、もともと自転車が好きで、乗る際に着られる服が欲しいという思いが合致し、「自転車のための服」が始まるわけです。さらに、ブランド設立前に数ヶ月ほど海外生活をした後に自転車屋を訪れたら、客層がガラッと変わっていて。アパレルの方や美容師などファッションの先端にいるような人たちが出入りしていて、「これは新しい動きだな」と感じたことも設立の後押しになりました。
最初のコレクションでは、アウターとTシャツにバッグ類、アクセサリーなどもリリースしました。普通に服を作って洋服屋に卸すのは当たり前すぎるので、作った服は自転車屋に売ろうと考えてスタートしたのですが、タイミングが良く、最初の3年はピストムーブメントとフィットして、想像以上の売り上げがありました。しかし、ブームは終焉を迎えるもので.... その後も状況があまり好転しなかったので、2013年にリブランディングして、売れる売れないは気にせず、自分の作りたいものだけを作る初期の頃の形に戻しました。その結果オーダーも増え、バイヤー陣の反応も良くなり、今に至る感じです。世の中の流れが、モバイルやライフギアというものを求め出し、自転車を取り巻く環境が変化したことも影響していると思いますね。今まではピストなど自転車自体がクローズアップされていましたが、現在は自転車に乗るという行為自体が見直され、「何に乗るか」より「どう乗るか」に注目が集まっている気もします。
自分の場合は子どもがいるんですが、毎週末お台場の潮風公園で自転車に乗るのが日課になっているので、そこまで車で行って、ピクニックしながら2人で一緒に乗ってたりしますね。彼の自転車は、2012年にオープンさせたcharifuri(チャリフリ)で買っています。それ以外は出退勤のときと、代官山の蔦屋書店や外苑前のCIBONE(シボネ)なんかに足を運ぶときに乗っていまして、そのくらいの距離感が自転車に乗るには丁度良く、快適に乗れている気がします。
今後の目標は、自転車だけにとどまらず、機能的な洋服というジャンルをより確立させていきたいです。来年5月にはニューヨーク出店が正式決定したので、機能性に特化した服を扱うようなセレクトショップも開いてみたいですね。