トンネル熟成が生んだ奇跡の旨味。粉雪サラミが織りなす濃厚な美味しさ
唐津くん煙工房の代表作の一つ粉雪サラミは、まるで粉雪が舞い降りたかのうような美しい白カビが魅力。
この神秘的な白カビが、旨味と香りを引き出し、熟成中にまろやかな味わいを生み出します。
旨みの強いこの粉雪サラミは赤ワインやクラフトビールと相性抜群!
自分で炙ることで、更に美味しさが広がります!あなたもこの贅沢な味わいを体験してみませんか?
美味しさの秘密を唐津くん煙工房、雪竹社長に伺いました。
廃線の奇跡!鉄道トンネルがサラミの熟成庫に!
お肉の味わいと香りを最大限に引き出すために欠かせない唐津くん煙工房の「トンネル熟成」。
美味しさの理由を尋ねると、トンネルだからこそ生み出せる美味しさの理由にたどり着きました。
鳩川トンネルは元々、佐賀県唐津市と呼子町を結ぶ鉄道計画の一環として、1970年代に建設されました。
しかし、利用の見通しが立たず、計画は中止に。
その結果、トンネルは未完成のまま放置されることとなりました。
この“幻の鉄道”に注目したのが、地域活性化に取り組む唐津市と九州大学の研究者たち。
ヨーロッパでは、ワインやチーズの熟成に天然の洞窟や地下室が利用されてきました。
その文化にヒントを得て、九州大学の研究チームは鳩川トンネルを食品熟成庫として活用する可能性を探りました。
研究の結果、トンネル内部は食品熟成に理想的な環境を備えていることが判明。
幻の国鉄未成線とも呼ばれる旧呼子線の「鳩川トンネル」を活用した「トンネル熟成」という独自製法の取組がスタートします。
環境に優しく、素材の旨味を最大限に引き出すこの熟成法は、唐津くん煙工房の象徴ともいえる存在。
美味しさの秘密に迫る!粉雪サラミの発酵と熟成の舞台裏
唐津くん煙工房では、このトンネル熟成を粉雪サラミや生ハムに採用しています。
トンネル内の環境、温度と湿度管理が、素材の旨味をじっくりと引き出し、深みのある味わいを育てていきます。
トンネル内で行われる発酵と熟成の工程では温度と湿度が一定に保たれているトンネル内を更に発酵ゾーンと、熟成ゾーンに分け、それぞれの部屋でゆっくりと美味しさを育みます。
20℃の環境から始め徐々に温度と湿度を下げ1週間ほど状態を見ながら発酵を促進。カビ付けを行っていきます。
白カビがサラミの表面に自然発生し、発酵を進めます。
お肉が持つ水分量を減らし味の調整をするため、湿度と温度は徹底的に管理。
このカビは、素材の変化を調和させる重要な要素であり、サラミの味わいにぐっと深みを持たせます。
カビ付けが完了したサラミは温度と湿度を下げた熟成庫に。
30日~40日かけてゆっくりとカビを定着させ熟成させていきます。カビの酵素が発酵を促進し、旨味をさらに引き出すことで、香りやコク、そして深みのあるサラミが完成します。
また、水分を徐々に抜いていくことで、お肉の味がギュっと濃厚に。発酵させる前の約半分のサイズにまで凝縮させることで噛みしめるほどに旨みの強いサラミが出来上がるのです。
この工程にも深く関わるトンネル熟成。
冷たく乾燥した空気をトンネルの形を活かし循環させることで直接風をお肉にあてずに空調を回します。
お肉を乾燥から守りながらじっくりと丁寧に時間をかけて熟成を進めることができるのだそう。
唐津くん燻煙工房が作り出す芸術 粉雪サラミの美味しさとは
ギュッと噛みしめるごとに凝縮されたお肉の美味しさが口いっぱいに広がり、濃厚で豊かな香りが病みつきになる唐津くん煙工房の粉雪サラミ。
「少し常温におくことでサラミの脂が溶けて更にお肉の香りが口の中に広がるんだよ。」そう話してくれた雪竹社長。
美味しさを引き立てる白カビは、カマンベールチーズやブリーと同系統のペニシリウム系菌で、熟成中に保護層として機能しながら、旨味と香りを引き出します。