牛乳パックから生まれた紙糸で作られた「ReMateri®」|
シャリっと軽い風合いのタオルと靴下がムードマークに登場
牛乳パックから生まれた紙糸を開発した「島精機製作所」とは
1962年、和歌山市手平で創業した島精機製作所は、全自動手袋編機の開発をルーツとする和歌山県屈指のグローバル企業です。
島精機製作所は「ないものは自ら創り出す」という精神の元、一着丸ごと縫い目がないニット「ホールガーメント®」をはじめ、世界初となる技術を数多く世に送り出してきました。
島精機製作所からサステナブルブランド「ReMateri®」と、サステナブル素材である牛乳パックを使った紙糸「REPAC®」が誕生するまでには、こんなエピソードがあります。
日本のみならず世界各国がコロナ渦に苦しんだ2020年のこと、島精機製作所で働く全従業員に向け、社長から一つのミッションが与えられました。それは「既存の事業にとらわれず、新たな事業計画を起案する」というものでした。

和歌山県屈指の規模を誇る島精機製作所の本社
本社の周りの柵のデザインにもニットのループが再現されている

その社長からのミッションに対し、社内では60件ほどのアイデアが集まりました。その中から採択されたものの一つが、岩崎伸哉さんが起案した、世界初となる牛乳パックを再生した紙糸プロジェクトです。
今回、ムードマークでは牛乳パックから生まれた紙糸「REPAC®」を使ったタオルと靴下の販売をスタートします。
この記事では、牛乳パックから生まれた紙糸の魅力を活かしたモノづくりを展開する「ReMateri®」の岩崎伸哉さんと高橋佳奈子さんにお話を伺いました。

「ReMateri®」事業を担当する高橋佳奈子さん(左)と岩崎伸哉さん(右)
牛乳パックを再利用したブランドが生まれた理由
もともと島精機製作所でソフトウェアの開発担当として活躍していた岩崎さんは、2020年の新規事業計画を起案するにあたり、「糸の開発に関しては、何も知らないところからのスタートで、糸のこと、紙の組成のことなど、すべて学びながら企画を立てていく」そんな日々だったと振り返ります。
当時、日本の古紙回収率は80%を越えているにも関わらず、牛乳パックの回収率は40%に満たないことに着目。また、牛乳パックは、表面にコーティングされたラミネートをはがすと、新品同様の上質な紙として再利用できる利点があることから「牛乳パックを再利用して紙糸を作る」という挑戦が始まりました。
当時、紙糸はロープのように太い状態で再利用されることはありましたが、衣類に使える程細い紙糸は存在せず、まさに試行錯誤を重ねながらの開発となりました。
「プロジェクトを立ち上げた当初は牛乳パックを再利用した紙糸を販売しようと考えていたのですが、なかなか紙糸を使いこなそうと、挑戦してくれる取引先が見つからなかった」と言います。そこで、まず自分たちが紙糸を使って、良い製品を作り発信していくという手法に切り替えて、今の「ReMateri®」の成功につなげていきました。
2025年現在「ReMateri®」の製品は、和歌山県内の旅館のアメニティや、全国各地のセレクトショップでの展開を中心に着々と販路を広げています。

牛乳パックから生まれた紙糸素材の魅力とは
牛乳パックから生まれた紙糸「REPAC®」の魅力は、シャリっとした質感と、さらりとした肌離れの良さ。原料となる紙自体が天然繊維ということもあり、紙糸は吸水性が高いという特徴や消臭性も備えています。こういった特徴から、紙素材ならではの良さを活かしたタオルや靴下などの人気商品が生まれました。

牛乳パックから生まれた糸「REPAC®」

紙糸を使ったタオルも、シャリっとした質感の「さらしゃりタオル」ともちっとした風合いの「さらもちタオル」と織り分けて展開する。
牛乳パックから生まれた世界初の再生紙糸ブラント「ReMateri®」のアイテム
今回ムードマークで展開するアイテムは「牛乳パックからうまれた すばやく乾く さらしゃりタオル」「牛乳パックからうまれた しっかり吸収 さらもちタオル 両面パイル地」「牛乳パックからうまれた 蒸れずに快適 隠れ五本指靴下 ミドル丈」の3アイテム。靴下やタオルといったアイテムには、紙素材が持つ吸水性や消臭性が活かせるアイテムです。
人気商品のタオルは2種類を展開。顔や体を拭くタオルは、直接肌に触れるアイテムなので、使用感の良さが購入に繋がるアイテムです。
しゃりっとした質感が特徴の「牛乳パックからうまれた すばやく乾く さらしゃりタオル」は紙糸らしいシャリシャリとした質感を好む人におすすめです。そして、しっとりやわらか素材が特徴の「牛乳パックからうまれた しっかり吸収 さらもちタオル 両面パイル地」はやわらかいタオルを好む人におすすめです。
どちらもタオルの産地として知られる泉州の工場で製造。工場ごとの強みが活かせるようにと、あえて別々の工場に製造を依頼しています。
また、一見普通の靴下のようで、実は内側が5本指ソックスになっているという靴下「牛乳パックからうまれた 蒸れずに快適 隠れ五本指靴下 ミドル丈」は、島精機製作所の真骨頂であるホールガーメント®の技術によるもの。
自社の強みを活かしながら新しい挑戦を続ける島精機製作所のアイデンティティが感じられる、おしゃれさと実用性を兼ね備えた一品です。

環境にも優しくて肌にも心地よい「ReMateri®」をギフトで贈るなら
「Re Materi®」のアイテムは、どれも心地よいことを追及したアイテムばかり。「自分で使ってみたら気持ちよくて『誰かにプレゼントしたいな』と思ってもらえたら嬉しいです」と岩崎さん。
「牛乳パックから生まれたエシカルなアイテムという面白さだけでなく、実際に使うと心地よかったと思っていただけるのがReMateri®の良さだと思います。使ってみたらハマってしまう。そんな魅力がある素材だと思う」と続けます。

機能性、心地よさ、環境への配慮など、たくさんの魅力を備えた「ReMateri®」。サステナブルが社会的に関心を集める今日、使い心地もよくて環境にも優しいという「ReMateri®」の魅力は、ギフトを贈った相手にもきっと響くのではないでしょうか。





Photo / Ayumi Yamamoto